高齢者の腰椎変性疾患における低侵襲手術の現状をシリーズでお伝えします。

低侵襲手術の現状:はじめに

はじめに

私の外来には、腰椎変性疾患による痛みやしびれで生活が不自由になることを心配して受診される高齢者が増えています。多くの患者さんは既に薬物治療や物療などを受けていますが、症状の改善が得られないばかりか、むしろ悪化していると訴えられます。保存治療が無効なため、手術治療を検討する場合、以下の要因が手術を困難にします。

  1. レントゲン撮影では、加齢変性による腰椎の側彎変形や滑りなどの形態異常が進んでいる。
  2. MRIでは、複数の椎間に脊柱管狭窄や椎間孔狭窄、椎間板ヘルニアなどが認められる。
  3. 過去に狭窄症や椎間板ヘルニア、すべり症などの手術歴がある。
  4. 女性では、骨粗しょう症が進行している場合が多い。

これらの要因により、病態が複雑化し、症状の原因部位の特定が困難となることがあります。さらに、高齢者は心肺機能、呼吸機能、腎機能などの臓器機能の低下、生活習慣病、狭心症や脳卒中などの基礎疾患を抱えていることが少なくありません。

しかし、私は長年高齢者の腰椎変性疾患の治療に携わってきて、以下の重要な真実を学びました。

高齢者の腰椎変性疾患による痛みやしびれ、歩行障害は、低侵襲手術によって大きく改善できるのです。高齢であるからといって、術後の症状の改善が悪くなるわけではありません。問題は、手術までの間に進行した神経障害の程度です。つまり、症状を長く放置することが問題となります。

高齢者にとって、低侵襲手術が最も適しているといえるでしょう。今後のシリーズで、高齢者の腰椎変性疾患における低侵襲手術の現状とその詳細をお伝えしていきます。

お気軽にご相談・コメントしてください。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください