腰椎治療難民の現状と改善策:はじめに
私は2014年に発刊された著書「腰椎手術はこわくない」の冒頭で、腰痛治療難民という言葉を用いました。この言葉が意味するのは、腰痛を治してくれる治療者を求めて、あちらこちらの治療機関を転々とするものの、病状は一進一退を繰り返すだけで一向に治らず、苦しんでいる方々でした。そして今回、腰痛から腰椎治療へと言葉を替え、対象を腰椎変性疾患の手術治療に絞って、行き場を失った人々を「腰椎治療難民」と再定義し、同様の苦難に見舞われ、苦しむ方々を救うための連載を開始します。この連載では、難民化した患者の実態を明らかにし、彼らの腰痛の原因や治療法について解説していきます。
救済対象患者の特定
難民化している患者は、主に以下の三グループに大別されます。
Group 1: 診断不明で適切な治療法が見つからない患者
このグループでは、痛みの原因が明確に診断されないため、適切な治療法が見つからず苦しんでいる方々が含まれています。
Group 2: 治療失敗例
手術を含めて様々な治療を受けているにもかかわらず、痛みが改善しない患者はここに該当します。いわゆる治療失敗のケースです。
Group 3: 再手術を敬遠される患者
再発した場合に手術治療を医師に敬遠される方々です。特に腰椎固定術を受けた後に再手術が必要となったケースが該当します。
高齢者における腰痛治療の難民化
特に80歳以上の高齢者において、腰椎変性疾患の手術患者は治療難民になりやすい状況にあります。現在既に、これらの患者に焦点をあてた連載を行っていますが、今後はGroup3の、特に腰椎固定術後に難民化した患者のケースも取り上げていく予定です。
期待する成果
この連載を通じて、読者が腰椎変性疾患がもたらす辛い症状の原因や治療法を知る手掛かりを見つけることができることを期待しています。これらの連載が、腰椎治療難民が直面する問題の解消に寄与できれば幸いです。